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「ミズナラ」の萌芽
私は奥日光のミズナラの林が大好きです。コナラより幾分大きめな鋸歯を 持ち、幹もコナラよりはがさがさとしており、美しさには欠けますが、でも その巨木の林の中を歩くのはこたえられません。 子供の頃から親しんできた、コナラやクヌギの林は、人の力で切り開いて きたためでしょうか、スケ−ルにおいてミズナラの林に劣るような気がして いるのです。 小田代ケ原を取り巻くミズナラの巨樹の林は、まぶたを閉じれば、ス−と 浮かんできます。その下を覆う一面のササその根元に咲く、ツマトリソウ、 オオヤマフスマ、タテヤマリンドウなど愛らしい花の姿も忘れられません。 邪魔だというのでしょうか、邪険に切られたミズナラの幼木の切られた跡 には、「負けないさ」とでもいうように、みずみずしい芽が思い切り育って いました。柔らかな、浅緑の葉をつけて、まことに誇らしげな様子でした。 2003/02/01 塙 泉 |
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